ミネルバの梟は暮れ行く黄昏時に飛び立つ

Die Eule der Minerva beginnt erst mit der einbrechenden Dämmerung ihren Flug

懐かしい。高校時代にヘーゲル法哲学で出てきて以来だ(んなもん高校生が読むな)。
ミネルバは、確かギリシャ神話で智を司る神。どういう意味かっていうと、時代が
「暮れ行く黄昏時」になると人間の英知が開くという意味です。ヘーゲルの経験した
18世紀末かなんかで、世紀末になると哲学者とかが増えるのを揶揄して表現された
ものだったような気がします。なんで今頃こんな話題を出すかっていうと、
今日の某証券会社のレポートのタイトルが
ミネルバの梟は、やはり夕暮れに飛翔する」
だったからです。
ほう…真係有意思(=非常に興味深い)。*1
ざっと中身を掻い摘んで書くと、エコノミストの多くが構造改革批判や金融危機警鐘に
スタンスを変えている=暮れ行く黄昏時だからこそ、株価が上昇に転じる=梟が飛び立つ
可能性があるとのこと。
…言葉の使い方間違ってないか!?…
私は今が「暮れ行く黄昏時」なのかどうか知りませんが、仮に金融危機による経済の
転換点だったとしましょう。そういう時ミネルバの梟が飛び立つっていうのは、
今までの経済体制で成り立たなくなってきたから新しいアイデアが色々生まれてくる
という意味だと思います。具体的には
・今までのアメリカ依存や金融依存経済からの見直し
・過度の資本主義依存型システムからの脱却、資源の再分配
・大量生産大量消費型経済からオーダーメード型の製造業やエコ産業の発展
・新規産業による新しい需要の創出
などを指すと思います…まあ梟が飛び立ってくれるか分かりませんが。まあ、
不景気も悪いことばかりじゃないってことです…。

*1:念のため香港でも「容疑者Xの献身」が上映されるため、ガリレオ先生風、吹き替え広東語で言ってみました