日経金融1面:「伊藤の公式」金融工学の礎

高橋陽一郎先生や楠岡先生など懐かしい名前が出てきました。ところで、この記事なんか変だ。

「伊藤の公式」といわれる確率微分方程式はオプション理論の発展などに貢献した。

ちょっと待ったぁ。この記事、最初から最後まで「確率微分方程式」の別称が「伊藤の公式」で
あるかのような勘違いをしていると思われる表現が一杯あるぞ。念のため、「伊藤の公式」とは、
連続なセミマルチンゲール過程を二階微分可能な関数で移した写像がある確率微分方程式を満たす
というもの。世間では、伊藤先生の名前が付いているのでこの伊藤の公式が実績と思われてるかも
しれませんが、そうじゃなくて、「伊藤積分」を使った全ての確率解析の発端が彼の功績でしょう。
大体伊藤積分を使わない確率微分方程式が金融で使われてるのを見たことない…でも僕の修論
「時間を逆に見た時の伊藤積分」ってひねくれたもんでしたが…。