火車

火車 (新潮文庫)

誰だ今思わず「HuoChe」って普通語読みしたのは！？（→私）違うんです。これは日本語の
「かしゃ」＝「火がもえている車。生前に悪事をした亡者をのせて地獄に運ぶと言う。」
なんだそうだ。NHKのプロジェクトXのあとにやっている番組で、宇都宮弁護士の回があって
自己破産という方法を知らずに苦しい思いをしている人たちを手助けする弁護士の生き様を
描いた回がありました。そこで紹介されたのがこの小説で、宇都宮弁護士をモデルにしている
という。感想ですが、宮部みゆきさんの文章って全く無駄がなく、全ての語彙が結論に通じる
部品になっていて、完成されてますね。前、「模倣犯」とか読んだことあるのですが、これも
読み始めたら止まらなかった…しかも、犯人が最も気にしている部分を侮辱する形で結末を
迎えるため、読んでいる側がすっとする（映画とは違う結末なのです）。
この話は休職中の刑事が遠縁の男の婚約者が失踪したことで、彼女を探すというストーリー
ですが、探していくうちに色々な事が明るみに出てくると言うものです。読んでらっしゃらない
方のためにこれ以上は伏せますが、超お勧めです。