仕事の話

私は今円金利デリバティブに関する仕事をしているのですが、円金利のイールド、ものすごい
形状をしています。そこで注目なのが「CMSコーラブル預金」「CMSコーラブル債」。
普通、定期預金とは預金金利が一定なものですが、中には変動金利のものもあります。
個人向け国債*1も変動金利で、参照金利が「10年債入札金利-α」と言う形になっているため、
金利が上昇すると貰える金利も増えると言うものです。普通、固定債を買ったり、定期預金を
したりした後に金利が上昇すると、「もっと高い金利で運用できた」と言う状況になりますが
こうした変動金利債は金利が上昇しても、資産価値が落ちにくいので一部投資家に好まれました。
ところがこのような変動利付債*2が、一部の投資家により買われ過ぎていていたため、昔は理論値
よりも高い価格で推移するという現象がおきていましたが、最近ではイールドカーブ
フラットニングによりこの変動債の時価評価額が目減りすると言う現象が起きました。
すると、日本人の怖がりの性質が出たと言うか、資産価値が下がるものからは足を洗おうとする
傾向が多くなり、何処がフェアバリューか知らずに投げる投資家も出てきているようで、
益々円のイールドはフラット化するようになりました。この傾向がもう暫く続く可能性も
あります。一方、固定金利債を持っている投資家か誰か、3〜5年まわりのスワップ
金利が急騰しています。
この環境、どう見ますか?私は個人的にはCMSスワップ関連の商品がお買い得のような気が
するのですが。CMSスワップとは変動金利スワップですが、人気があるのは
「20年金利−2年金利+X、最低0.05%以上」というような金利を受け取る仕組みです。
(以前、企業の財務担当者をやっている友人から相談を受けたことがありました。その時、私は
イールドカーブがフラットするのが限定的だと考えるんだったら、いいんじゃない?」と
アドバイスしてしまいましたが、それからかなりフラットしてしまいましたね。)
さて、5年辺りの金利が高く20年金利が低い時、20年金利−2年金利+XのXの部分が
高く出ます。例えば20年金利が2.2%、2年金利が0.5%、Xが0.4%だとすると初回で
貰える金利が2.1%だということです。今の日本の低金利を考えると20年金利と2年金利の差が
さらに大きく縮み、殆どフラットになることは考えにくいとすれば、通常の固定金利の預金を
するよりもオトクなのでは?イールドが5年中心に膨らみすぎていると考えれば、5年から
10年くらいの預金に妙味が出るのでは???
じゃあお前が預金しろ!って言われそうですが、如何せんお金がないもので…これは大口の
預金に限るもののようですので、宝くじが当たったら絶対やりますが…。

*1:個人向けは10年債、この他に機関向けの15年債がある

*2:ここで注目しているのは15年国債