日銀も利下げ

金鐘にて…

こんな日に朝からミーティング。オフィスで6:50くらいに着くと電話が鳴り
「もうミーティング始めたいんだけどいい?」
…一息つかせてくれ…
そしてトラブルがあったりなんなりで、ミーティング終わったのが8:30。
もう前場始まってるけどどーせ今日は利下げでO/N10BPでコンセンサス
取れてるし、と思って画面を見ると債先暴落。何があったの???と思ったら
どうやらM日新聞が利下げしない観測を出して一部参加者が慌てたらしい。
…ここで思い切って買えるのが、ディーラーだね。
私の場合、朝一のミーティングですっかりぼけてしまったせいか、
「ほんとに利下げしなかったらどうしよう」とヘッジのことを考えたりして
イマイチなパフォーマンスでした。結果はご存知、大方の予想通り利下げ。
しかもO/NのターゲットもCPの買取オペも全て事前予想通り。
後からだったら何でも言えるが、ちょっと自分的には反省の日でした。

さて、不景気ですね。不思議なのですが、私の場合不景気をちょっと客観的に
見ることが出来ています。バブル崩壊後の不景気の時には、私も悲観的でした。
今は、これはもう景気のサイクルなんだからしょうがないという気分です。
むしろ不景気というのは異常だったアメリカの経済を正常化する過程の一環
なのかもと思えてしまいます。住宅バブル崩壊というミクロ局面ではなく、
社会全体で膨張していた経済の衰退ということ。そもそもドル円が120円台で
高止まりしていたこともおかしいし、投資銀行業務の報酬がバカ高いってのも
おかしいし、CDO組成時に取れるリスクの市場価格自体おかしいし、エキゾ系
商品を売りまくって管理できないコリレーションリスクを放置してるやつが一杯
いるものおかしいし、日本では為替証拠金取引で通貨の性質も知らない素人が
同じサイドに高いレバレッジでポジションとってたこともおかしいし、そんな
人たちが南アフリカランドなんてのにポジション持ってるのもおかしいし、大体
アメリカの金利が去年まで5%以上あったのもおかしいし、原油が147ドル
つけたってのもおかしいし、経済が衰退しているのにインフレを恐がって利上げ
していたユーロだっておかしいし…言ったらきりないです。
でも、私が思っていることは
ドル円は今は80円台〜90円台が妥当
投資銀行業務や市場業務の縮小、取引は激減する
・エキゾチック商品は、解約が世の中の主流になる
・各国金利差が縮小、貨幣価値がフラット化
・欧米よりもアジアの方が購買力を伸ばしてくる
こうしてみていると、不景気って言うのは持ってる者から持っていない者への
富の再分配に見えてくるのですが。何度も言いますが、ミクロの話ではありません、
貧しくて失業してる人だって沢山います。だけど、世界全体で貨幣の流通速度が
落ちていく時、キャッシュだけを持っているのでもない限り、持っている人ほど
失うものが多い。不動産も株も下がり、資産を沢山持っている人と全く持って
いない人との差が縮まっていく…そんな気がしてなりません。