金融危機雑感

ドル???

今回の金融危機で「いったいグローバルスタンダードって何だったのか?」という
疑問がわいて仕方ありません。米国の住宅バブルに端を発した今回の騒動、日本の
バブル崩壊と似ているという方が多いですが、もっとも大きな相違点は米国は
当時の日本への対応によって自爆している点だと思います。結局米国は10年前に
天に向かって吐いたつばが返って来たということです。
バーナンキら当時のアナリストの日本の公的資金注入に対する批判
…今回米国金融機関にたいする資本注入の対応が遅れたのは、当時アナリストだった
バーナンキが日本で金融機関に対して公的資金を注入したことに批判的であったため
同じことをするのに躊躇した、それがリーマンの破綻を生みさらなる金融不安を煽った
ということでしょう。
②日本に時価会計導入
…もともと、満期まで保有する資産などについては日本は簿価で評価していました。
時価評価に移行するメリットは「その時に会社の資産を清算したらいくらになるか」
という視点で見れるということです。でも、その反面実現収益と無関係な損益を
バランスシートに載せなくてはいけないという矛盾も抱えるわけです。
今回はバランスシートを良く見せるために物価連動債などを売却する圧力が強かった
ため、一時時価評価を凍結することになりました。
③BIS規制等の制定
…②と同様です。
④オフバランス取引に対する担保契約
もともと、金利デリバティブなどで、担保の差し入れを相互に行うという契約が十年
前くらいから導入されてきました。最初は邦銀とデリバティブ取引をするのが高収益
だった外銀もエクスポージャが膨らんでくると、邦銀が破綻した場合のリスクが
大きかったために担保をよこせといってきた、「邦銀いじめ」スキームでした。ですが
今回リーマンの破綻によって、実際にはコラテラル契約が解約を潤滑に行わせたように
思えます。