文化の融合

私はイタリアのオペラが大好きです。もちろんドイツ語のも大歓迎ですが。で、
今日のテーマは「文化の融合」。オペラが日本語版で出た團伊久磨先生の「夕鶴」は
先日韓国でも演奏されることになったようです。これは日本語版のオペラとして
最高傑作だと思っています。もちろん團先生が指揮で大学に来た時にお会いしたとか
CDでバスの惣どを担当したのが私の師匠だったとかでこの曲に思い入れがあるのかも
しれませんが。日本語は子音で終わる言葉がなく、もともとの発音がフラットなため
音をつけやすく、音楽にするのは英語や広東語と比べて幅が広いと感じています。
話がずれましたが、日本の伝統的な文学をオペラにするというのは面白いアイデアという
だけでなく、今までの音楽の枠を超えた新しい表現で意味があると思っています。
ここからが本題。同じようにして中国語のオペラがあるのです。「京劇」ではありません。
楽器はオーケストラを使って行う西洋オペラの形式で、歌詞が中国語になっている
ものです。CCTV9「木蘭花馨」で紹介されていた「木蘭詩篇」というオペラですが、
紹介されていた部分だけでとても魅力的な曲です。もともとの中国音階をベースにして
いますが、西洋音階の全部の音を使えるので表現の自由度が広がっています。歌詞のほうは
もともと漢詩が持っているリズムを大事にして作られているので、イタリア語で歌われる
よりもよっぽど美しいです。つまり、西洋と東洋のいいとこ取りをしたオペラといえます。
各国が自国の文化を大切にするのはとても重要だと思いますが、他の国の文化を積極的に
受け入れれば、こうした融合が生まれるのではないでしょうか。
今Yahooで検索したところ、米国や欧州でも演奏されるようです。私も一度全曲聴きたい。