トゥーランドット

昨日から、香港文化中心でプッチーニのオペラ「トゥーランドット」が演奏されています。
私が大好きなプッチーニの曲と言うことと、香港(中華圏)で中国を舞台にしたオペラが
見られると言うことで行って来ました。感想は、最高です
ちなみに、このオペラを見たのは2回目。前回はローマのオペラ座で96年2月に見ました。
イタリアのオペラならイタリアで見るのが最高だろうと思っていましたが、今回観たのは
別の意味で最高に素晴らしい演奏でした。なぜかと言うと
①衣装等舞台設定が完璧である
例えば海外で「蝶々夫人」が演奏される時、日本人が観ると「なんじゃこりゃ?」という衣装に
なったりします。着物と浴衣の違いが分かってなかったり、着付け方法が滅茶無茶だったり。
同じように「中国の古代の北京城」を欧米人が演出すると明朝の衣装に辮髪(清朝)を合わせたり
するような無茶が平気で行われたりします。現に、イタリアで観た「トゥーランドット」は、
中国と言うより、アジアのどっかの文明が混ざったフュージョン舞台のようになっていました。
(いや、思い返すと衣装自体には問題がなかったのかもしれないが、イタリアの丸々太った
おばちゃん歌手たちが着ると全く別物になってしまっただけなのかもしれないです。)
その点、さすがは中華圏香港。私がテレビで見る中国時代劇で再現されているイメージからし
本当に優れた衣装付け、設定になっていました。
②微妙なイタリア語表記の意味が分かる
「Diecimilla anni al nostro Imperatore(我らが皇帝が1万年永らえますように)」と
いう台詞、日本語に直訳すると意味不明ですが、中文で「皇上万歳、万万歳」と書かれれば
一目瞭然。私は「Liu」という少女を「劉」だと思っていましたが「柳」になっていました。
ピン・ポン・パンの大臣トリオのアリア「私の家はホーナンにある」も「湖南」か「河南」か
分かりませんでしたが、前者が正解のようです。その他、時代や場所設定が微妙なものも
きちんと整理つけられていました。
③演出の高度さ
公式行事での民衆が行う出し物や、場内での民衆の態度、敬礼など全てが中華圏ならではの
絶妙な演出。もともとそういう礼儀作法を知っている人たちが演出するので、動きにぎごち
なさとかが全く見られない。完璧。
結論:トゥーランドット」を観るなら一度は中華圏で見るべし